Midjourneyマスターガイド:プロ品質の画像を生成するコツと設定

AI画像生成ツールの中でも特に高品質な出力で注目を集めている「Midjourney」。直感的なインターフェースが魅力ですが、本当にプロフェッショナルな品質の画像を生成するには、ちょっとしたコツと知識が必要です。
この記事では、Midjourneyを使いこなすための実践的なガイドをご紹介します。基本的な使い方から、効果的なプロンプト作成法、パラメータの最適化、商用利用のポイントまで解説します。初心者の方も、すでに使い始めている方も、この記事を読めばMidjourneyの可能性を最大限に引き出せるようになるでしょう。
この記事でわかること:
– Midjourneyの基本設定と効率的な使い方
– プロ品質の画像を生成するためのプロンプト作成テクニック
– パラメータ設定の最適化方法
– 商用利用する際の注意点とライセンス
– よくあるトラブルの解決法
AIツール全般についての基礎知識は、AIクリエイティブ入門ガイドもあわせてご覧ください。
Midjourneyの基本と始め方
Midjourneyとは
Midjourney(ミッドジャーニー)は、テキストプロンプトからAIが高品質な画像を生成するサービスです。2022年にベータ版がリリースされて以降、そのクオリティの高さでクリエイターを中心に急速に人気を集めています。
他のAI画像生成ツールと比較した特徴は以下の通りです:
- 美的センスに優れた画像生成能力
- Discordを通じたシンプルなインターフェース
- コミュニティ中心の使用体験
- 豊富なスタイルオプションと調整パラメータ
AI画像生成ツール比較2025で詳しく解説していますが、Midjourneyは特に芸術性の高い画像生成に長けており、イラストレーターやデザイナーに人気があります。
アカウント作成と始め方
Midjourneyを使い始めるには、以下の簡単なステップで設定します:
- Discordアカウントの作成: まだDiscordをお持ちでない場合は、Discord公式サイトでアカウントを作成
- Midjourneyサーバーへの参加: Midjourney公式サイトからDiscordサーバーへの招待リンクを取得
- サブスクリプションの選択: 無料トライアル(現在は期間限定で提供)または有料プランの選択
- 最初の生成: Discordのチャンネルで「/imagine」コマンドを使用して最初の画像を生成
基本的な使い方
Midjourneyの基本的な使い方は非常にシンプルです:
- Discord上のMidjourneyボットが使用可能なチャンネルに移動
/imagine prompt:
と入力し、続けて生成したい画像の説明を英語で入力- Enterキーを押して生成開始
- 生成された4つの画像から、気に入ったものを選択して高解像度化(U1〜U4)または変化させたバリエーションを作成(V1〜V4)
例えば:
/imagine prompt: a majestic mountain landscape at sunset, dramatic lighting, photorealistic
この基本フローを覚えれば、すぐに使い始めることができます。
効果的なプロンプト作成技術

プロンプトの基本構造
プロンプト(指示文)は、AIに生成してほしい画像を言葉で伝えるためのものです。効果的なプロンプトには、一般的に以下の要素が含まれます:
- 主題/被写体: 何を描くか(人物、風景、物体など)
- スタイル: どのような芸術スタイルか(油彩、水彩、3Dレンダリングなど)
- 環境/設定: どのような場所や状況か
- 照明条件: どのような光の当たり方か
- 視点/アングル: どの角度からの描写か
- 色調/ムード: 全体の色合いと雰囲気
- 品質修飾子: 解像度や詳細度に関する指示
効果的なプロンプト例と解説
以下に、効果的なプロンプト例とその解説を示します:
基本的なプロンプト
a portrait of a cyberpunk woman with neon lights
結果: 基本的なサイバーパンクの女性の肖像画が生成されますが、詳細や雰囲気は曖昧です。
改良されたプロンプト
detailed portrait of a Japanese cyberpunk woman with short blue hair, wearing futuristic neon-lit clothing, in a rainy Tokyo street at night, neon signs in background, cinematic lighting, shallow depth of field, high quality digital art, trending on artstation
結果: より具体的で詳細な情報により、一貫性があり高品質な画像が生成されます。
プロンプトの重要ポイント
- 具体的に詳細を記述する: 「beautiful」よりも「colorful sunset with pink and orange clouds」のように具体的に
- 順序の重要性: 最も重要な要素を最初に記述する
- 一貫性のある指示: 矛盾する指示(「水彩画風の写実的な写真」など)は避ける
- アーティスト名の使用: 「in the style of Vincent van Gogh」などの参照は効果的
- 品質修飾子の活用: 「high quality」「detailed」「4K」などの表現で品質向上
避けるべきプロンプト要素
- 過度に複雑な指示: 長すぎるプロンプトは効果が分散する
- ネガティブな指示: 「–no trees」のようなネガティブプロンプトは効果が低い(代わりにパラメータや選択プロセスで対応)
- 著名人の実名: 著作権やプライバシーの問題を避けるため
- 不適切なコンテンツ: Midjourneyのコンテンツポリシーに反する内容
パラメータの徹底解説

主要パラメータの概要
Midjourneyでは、プロンプトに加えて様々なパラメータを使用して画像生成をコントロールできます。主なパラメータは以下の通りです:
パラメータ | 用途 | 例 |
---|---|---|
–aspect または –ar | アスペクト比の調整 | --ar 16:9 , --ar 1:1 |
–quality または –q | 画像の品質(レンダリング時間) | --q 1 (ドラフト)〜--q 5 (最高品質) |
–stylize または –s | AIの創造性の度合い | --s 0 (低)〜--s 1000 (高) |
–version または –v | 使用するMidjourneyモデル | --v 5 , --v 5.1 , --v 5.2 |
–chaos | ランダム性の導入 | --chaos 0 (低)〜--chaos 100 (高) |
–tile | シームレスなタイリングパターン生成 | --tile |
–seed | 特定のランダムシードで再現性を高める | --seed 123456 |
アスペクト比の効果的な使い方
アスペクト比(–ar)は、生成される画像の幅と高さの比率を決定します。最適なアスペクト比の選び方:
- 1:1 (正方形): ソーシャルメディアのプロフィール画像に最適
- 16:9 または 9:16: YouTube、プレゼンテーション、スマホ用縦長コンテンツに適した比率
- 3:2: 一般的なカメラ比率に近く、写真のような表現に適している
- 2:3: 縦長のポスターやモバイルデバイスに適している
例えば、縦長のスマホ壁紙用なら:
/imagine prompt: mystical forest with glowing mushrooms and fairy lights, fantasy concept art --ar 9:16
スタイライズ値の調整方法
スタイライズパラメータ(–s)は、AIの創造性と入力プロンプトへの忠実性のバランスを調整します:
- 低い値(–s 0〜100): プロンプトに忠実で、より写実的・文字通りの表現に
- 中間値(–s 100〜500): バランスの取れた創造性(デフォルトは250)
- 高い値(–s 500〜1000): より芸術的で抽象的な表現に
例えば、写実的な写真のような表現を求める場合:
/imagine prompt: realistic portrait of a middle-aged man with beard, photographic quality --s 50
芸術的な表現を求める場合:
/imagine prompt: abstract representation of human emotions, expressionist art --s 750
品質設定とその影響
品質パラメータ(–q)は、画像の詳細度とレンダリング時間に影響します:
- 1: 最も迅速だがドラフト品質(概念検証用)
- 2: バランスの取れた品質と速度(多くの試行に適している)
- 5: 最高品質だが生成時間が長い(最終版に適している)
多くの場合、初期コンセプト探索には低いquality値を使用し、最終的な画像生成のみ高いquality値を使用することで、効率的に作業できます。
バージョンの選択
Midjourneyは継続的にモデルをアップデートしています。バージョンパラメータ(–v)で特定のモデルを選択できます:
- v5: バランスの取れた現行標準モデル
- v5.1: テキスト表現が向上
- v5.2: 創造性とコントラスト改善
- niji5: アニメやイラスト向けに最適化
プロレベルの作品制作テクニック

一貫したスタイルの作品シリーズ作成法
同一のスタイルで複数の作品を作る際のコツ:
- シードパラメータの活用: 同じ–seedを使うことで、スタイルの一貫性を保つ
- プロンプトテンプレートの作成: 主要な形容詞やスタイル記述を固定し、被写体だけを変える
- 「–sref」参照画像の使用: 自分の過去作品を参照として指定する
例えば、同じスタイルで異なる動物のシリーズを作る場合:
/imagine prompt: majestic [animal] in cyberpunk city, neon lights, cinematic lighting, detailed, ultra realistic --seed 42587
商用利用のためのベストプラクティス
Midjourneyで生成した画像を商用利用する際に注意すべきポイント:
- 適切なプラン選択: 商用利用には適切なプランの購入が必要(Standard Plan以上)
- 権利関係の理解: 生成された画像の権利は基本的にユーザーに帰属するが、利用規約を確認
- 安全な被写体選択: ブランドロゴや著名人など、権利の問題が発生しやすい被写体を避ける
- プロンプトの記録: 後日問題が生じた際の証明のため、最終的な作品のプロンプトを記録しておく
- 生成画像の修正と加工: 完全にオリジナルの作品とするために、生成後に編集ツールで調整
プロンプトエンジニアリングの高度テクニック
より高度な結果を得るためのテクニック:
- 重み付け: プロンプト内で重要度を指定(
beautiful sunset::1.5
のように::数値で重み付け) - 複合コンセプト: カンマを使って複数のコンセプトを組み合わせる
- レファレンス画像の使用:
--iw
パラメータでテキストとレファレンス画像の重み付けを調整 - ネガティブプロンプトの代替: 使いたくない要素の代わりに、使いたい要素を強調
- スタイル転送: 特定のスタイルを他のコンテンツに適用するテクニック
高度なプロンプト例:
/imagine prompt: futuristic japanese garden::1.5, cyberpunk elements::0.8, cherry blossoms, water features, zen atmosphere, night scene with neon lighting, detailed environment, 8k render --v 5.2 --s 500 --q 5
後編集のワークフロー
Midjourneyで生成した画像をさらに洗練させるワークフロー:
- アップスケール: 高解像度バージョンの画像を生成(U1-U4ボタン)
- Photoshopでの調整: Adobe Photoshopなどで細部の修正
- 不要な要素の削除
- 色調補正
- テクスチャの強化
- 複数画像の合成
- 出力形式の最適化: 用途に合わせた形式(PNG, JPG, TIFFなど)と圧縮設定
よくある問題と解決法
Discordでの操作に関するトラブル
- コマンドが機能しない場合:
- 適切なチャンネルで実行しているか確認
- ボットが応答しない場合はDiscordを再起動
- サーバーのステータスをMidjourney公式のTwitterなどで確認
- 生成した画像が見つからない:
- Discordの「Midjourney Bot」とのDMを確認
- 自分のユーザーページ(U画像マイページ)を確認
思い通りの結果が出ない場合
- 期待と異なる結果:
- プロンプトをより具体的に記述
- パラメータ(特にスタイライズ値)を調整
- モデルバージョンを変更して試行
- 特定の要素が反映されない:
- 重要な要素をプロンプトの前半に配置
- 重み付け(::数値)を活用
- 複数回生成して最適な結果を選択
- テキストが正しく生成されない:
- v5.1以降のモデルを使用
- テキストを画像として生成するよりも、後編集での追加を検討
Midjourneyを超えたAI活用のヒント
Midjourneyの生成結果をさらに活用する方法:
- Stable Diffusionとの連携: Midjourneyで生成した画像をStable Diffusionに入力して詳細な編集
- ChatGPTとの組み合わせ: ChatGPTでプロンプトのアイデアを生成
- 複数ツールのパイプライン: 異なるAIツールを組み合わせた制作フロー
まとめ:あなたのMidjourneyスキルを次のレベルへ
Midjourneyは使い始めるのは簡単ですが、真の習熟には時間と実践が必要です。この記事で紹介したテクニックを試し、自分のワークフローを確立していくことで、プロフェッショナルな品質の画像を作成できるようになるでしょう。
特に大切なのは:
1. 継続的な実験: さまざまなプロンプトやパラメータを試す
2. 成功例の分析: うまくいった結果のプロンプトを記録し、パターンを見つける
3. コミュニティへの参加: Midjourneyコミュニティで他のユーザーから学ぶ
さらに深く学びたい方は、AI画像生成学習コースやMidjourney公式ドキュメントも参考になります。
Midjourneyは月々のサブスクリプション制で、さまざまなプランが用意されています。詳細はMidjourney公式サイトでご確認ください。
最終更新日: 2025年4月6日
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みなさんはMidjourneyでどのような作品を作っていますか?コメント欄でぜひ教えてください。